1日の平均歩数:年代別・男女別・国別
まず要点から。一般的な成人の平均は1日およそ4,000〜5,000歩で、この数字は年齢とともに着実に下がっていきます。みんなが口にする1万歩よりずいぶん低いのですが、これは測定の誤りではありません。単純に、多くの人はそこまで歩いていないのです。
データの前に置いておきたい注意がひとつ。測り方によって答えは変わります。スマートフォンを使った研究が捉えているのは、スマホを持ち歩いているあいだの歩数だけ。机の上、カバンの中、キッチンで充電中——そのあいだの歩数は入らないので、構造的に少なめに出ます。腰や手首に装着して起きているあいだずっと計測する研究用の加速度計では、同じ集団でもふつう合計は高くなり、その差が1,000歩以上になることもあります。ふたつの「1日の平均歩数」を比べるときは、結論を出す前に、誰が何を身につけて測ったのかを確かめてください。
このページは公表された研究のまとめであって、医療アドバイスではありません。
年代別の1日の平均歩数
歩数は成人初期にピークを迎え、そこから下がっていきます。下げ幅がいちばん大きくなるのは70歳前後から。以下の範囲は、大規模な機器計測研究に一貫して現れるパターンです。
| 年代 | 1日の平均歩数の目安 |
|---|---|
| 18〜29歳 | 約4,800〜6,000歩 |
| 30〜39歳 | 約4,500〜5,500歩 |
| 40〜49歳 | 約4,500〜5,200歩 |
| 50〜59歳 | 約4,000〜4,800歩 |
| 60〜69歳 | 約3,500〜4,500歩 |
| 70歳以上 | 約2,500〜3,500歩 |
これは複数の研究をまたいで統合したおおよその範囲であって、単一の権威あるデータセットではありません。この表を作った出典がひとつあるわけではないのです。研究ごとに使う機器も、対象国も、実施年も、「有効な装着日」の定義も異なり、公表されている数値は食い違います。ときにはかなり大きく。それでも一致しているのは形です。中年期までゆるやかに下がり、定年前後から傾きが急になる。この範囲は、自分がどのあたりにいるかを確かめる目安として使ってください。点数ではありません。
ひとつ押さえておきたいのは、加齢による減少がすべて生物学的なものではないということ。退職すると通勤がなくなりますが、デスクワークの方にとって通勤は1日の歩数の意外に大きな割合を占めています。もちろん身体機能の制約も関係しますが、「駅までの徒歩」が消えることの影響も同じくらい大きいのです。
男性と女性
複数の大規模研究で、男性の1日の平均歩数は女性よりわずかに多いという結果が出ています。多くは数百歩、ときに1,000歩近くになることもあります。実在する再現性のある差ではありますが、年齢の影響と比べれば小さい差です。30歳の女性は、平均すればほぼ確実に70歳の男性より多く歩きます。性別が動かすのはひと押し分、年齢が動かすのは区分ひとつ分です。
しかもこの差は一定ではありません。国によってはっきり変わり、集団によってはほぼゼロまで縮まります。差が大きい地域について挙げられる説明は、生理的なものというより、社会的・構造的なもの——職業の違い、ケアに費やす時間、ひとりで歩くことの安全性や現実性——であることがほとんどです。「男性は女性よりX歩多く歩く」という単一の数字の主張は、たくさんのばらつきを平らにならしてしまっています。
国別に見ると
国際比較として最もよく知られているのは、Stanfordの研究者らによる2017年の研究(Althoffら、Nature誌掲載)です。100か国以上、約70万人のスマートフォンの歩数データを分析したもので、各国の平均歩数に関する出典として今も最も多く引用されています。そこで示された全体の数字——世界全体で1日およそ5,000歩——が、多くの人が口にする「世界平均」の出どころです。
おおまかな結果は次のとおりです。
- 上位:香港と中国本土。1日約6,000歩以上。
- 中位:アメリカは約4,700歩。西ヨーロッパの多くも同程度か、やや高い水準でした。
- 下位:インドネシアとサウジアラビア。約3,500歩以下。
覚えておきたいことが2つあります。ひとつは、これがスマートフォンで記録された歩数だということ。人々のスマホが記録したものを測っているので、絶対値は低めに出ますし、スマホを持ち歩く習慣が異なる国どうしを完全に比較することはできません。もうひとつは、この研究の最も興味深い発見が、実はランキングではなかったということです。それは活動の不平等でした。国内で最も活動的な人と最も活動的でない人の開きのほうが、その国の平均値よりも肥満率をうまく予測したのです。全員がほどほどに歩く国は、同じ平均でも「非常に活動的な半分」と「非常に座りがちな半分」に分かれている国より健康的に見える、というわけです。
あなたの数字が表と違って見える理由
自分の平均が表と一致しなくても、それが普通です。おもな理由は次のとおり。
- 測定方法。いちばん大きな要因です。スマホは身につけているあいだしか数えませんが、手首のトラッカーは起きているあいだのほぼ全時間を数え、歩行ではない腕の動きも拾います。腰に装着する研究用の加速度計はその中間で、いちばんゴールドスタンダードに近い存在です。行動をまったく変えなくても、機器を変えるだけで「平均」は15〜25%動くことがあります。
- どこに身につけるか。ポケットと手首では合計が変わります。カバンやリュックだとさらに低くなります。ベビーカーやショッピングカートを押していると、手首のトラッカーは実際に歩いた分をかなり取りこぼすことがあります。
- 仕事の種類。これが他のすべてを圧倒します。看護師、倉庫作業者、教員、接客業の方なら、運動を意識しなくても夕食前に1万歩を超えられます。車で通勤するデスクワークの方は、平日に3,000歩に届かせるのも一苦労かもしれません。この2人を比べてわかるのは、体力ではなく職業の違いです。
- 住んでいる場所。密度が高く、歩きやすく、公共交通が発達した都市の平均は、車依存の郊外よりはるかに高くなります。片方では用事が「徒歩」で、もう片方では「運転」だからです。国どうしの差の大半はこれであって、国民性の気合いの差ではありません。
- 天候と季節。本格的な冬や酷暑のある地域では、歩数は年間を通じてかなり振れます。7月に実施した研究と1月に実施した研究は、同じ集団についても違う結論を出すでしょう。
「平均並み」で十分?
平均は現状の記述であって、推奨ではありません。各国の平均の多くは、ウォーキングの測定可能な健康効果が頭打ちになり始める水準を下回っています。つまり平均に並ぶということは、カーブの急な部分にいるということ。そこではまだ、追加の1,000歩が大きな見返りを生みます。
手短に言えば、効果がはっきり出てくるのは4,000〜5,000歩あたりからで、その大部分はおおむね7,000〜8,000歩で得られます。研究にもとづくきちんとした解説は1日に本当に必要な歩数は?にまとめました。1万歩がマーケティングから生まれた数字である理由も、そこに書いています。
ひとつ上の区分へ上がるには
あの表の1行分を上がるのに必要なのは、たいてい1日あたり1,000〜1,500歩。時間にすると10〜15分ほどの歩行です。現実的な見つけ方をいくつか。
- いつもの移動をひとつ、車から徒歩に。定番の用事をひとつ徒歩に変えるほうが、途中で投げ出す壮大な計画よりずっと効きます。最初の一度さえ決めれば、あとは気合いなしで毎週くり返されます。
- ひと駅手前で降りる。公共交通を使うなら、これだけで1日800〜1,500歩が無料で手に入ります。しかも決めるのは一度きり、毎日悩む必要はありません。
- 「ついで」に歩く。電話、ポッドキャスト、考えごと。歩くことが時間の奪い合いではなく、時間の共有になります。
- 食後の決まったひと回りを足す。昼食後や夕食後の10分は、いちばん守りやすい枠であり、実際に何年も続けられている人が多い習慣です。
- 散歩を義務ではなく目的に。継続は意志の力ではなく、「出かけたい」という気持ちから生まれます。実際に長続きする工夫はウォーキングを楽しくするコツにまとめました。
方法論と限界
このページは引用されることを想定しているので、何にもとづいているか、どこが弱いかを明記しておきます。
- 自己申告と機器計測。「どのくらい歩いていますか」と尋ねる調査は、機器で測った場合より一貫して高い数字を出します。このページの数字はすべて機器計測の研究から取っています。よそでずっと明るい統計を見かけたら、実際に誰かが数えていたのかを確かめてください。
- スマートフォン研究のサンプルには偏りがあります。Stanfordのデータセットに限らず、スマホベースの研究が対象にしているのは、スマートフォンを所有し、フィットネスアプリを入れ、それを持ち歩いている人たちです。どの国においても、一般人口より若く、裕福で、都市的で、健康への関心が高い層に偏ります。つまり国別の比較には、その国のスマホの持ち歩き習慣も一部反映されているということです。
- 機器どうしも一致しません。手首、腰、スマホのセンサーは数え方が異なり、手首のトラッカーどうしでも一致しません。万国共通の「1歩」は存在しないのです。
- この範囲は統合したものであって、単一の研究に由来しません。上の年代別の表は、複数のデータセットにまたがるコンセンサスの帯です。精密さより、ばらつきに対して正直であることを狙っています。だからこそ範囲で示し、小数点は使っていません。
- 数字は年ごとに動きます。平均はパンデミックの時期とその後で目に見えて変化しましたし、リモートワーク、公共交通の利用、機器の普及とともに今も動き続けています。ここに載せた数字はどれもスナップショットであって、定数ではありません。
本当に自分についての数字がほしいなら、他人と比べるのをやめて、先月の自分と比べるのが有効な一手です。それがだいたいPixel Islandsの発想でもあります。あなたの歩数は小さな島を8つのステージへ育てていくので、よく歩けた週は目に見えて表れ、あまり歩けなかった週は島の育ちが少しゆっくりになるだけ。途切れる連続記録も、届かなくて落ち込む平均値もありません。